Archive for the 'アトピー最新情報' Category

火曜日, 1月 22nd, 2008

年が明けたと思ったら、もう3週間も過ぎました。私はいつも時間の早さを感じますが、皆さんはどうでしょうか?
先週末は美容外科学会地方会に参加しましたが、鼻をテーマにした内容でした。
やはり手術を主体とする形成美容外科医の集まりはいつもdeepで、一層精進しなければと思いました。
昨晩TBSの情熱大陸と言う番組で、天文学者の小久保英一郎博士が紹介されていました。小久保博士は、理論天文学では世界中から注目されている気鋭の科学者です。彼が29才の時に発表した惑星形成理論(オリガーキック・グロース、寡占的成長)は、今やその分野では世界基準となっています。
私も中学生の頃は宇宙や星に強い興味を持ち、望遠鏡で星や月を観たり、流星群の観察を行ったりしました。それが次第に物理学への興味に移り、人類の夢である核融合を目指して東北大学に一時期通いましたが、道半ば夢をあきらめ(当時「核融合は君らの生きているうちは絶対に出来ない」と言われました)、医学部に再入学した経緯があります。ですから小久保博士の放送は大きな関心を持って見ました。
その中で印象的だった言葉・シーンがあります。
1 『コンピュータと想像力があれば不可能は無い』
 小久保博士の研究はシュミレーション(模擬実験)を通して理論を作り上げる事です。
シュミレーションとは、「物理的あるいは抽象的なシステムをモデルで表現し、そのモデルを使って実験を行うこと。実際に模型を作って行う物理的シミュレーションと、数学的モデルをコンピューター上で扱う論理的シミュレーションがある。」と言う意味ですが、小久保博士のシュミレーションは後者の論理的シュミレーションを指します。
これにはスーパーコンピュータが必須ですが、彼は、コンピュータと想像力があればあらゆることが可能、と言っています。
確かに私も、自分のHPを始め、論文作成、プレゼンテーション資料の仕事、音楽製作やイラスト、3D画像等の趣味的活用など、かなりの部分でコンピュータの恩恵を受けています。しかし肝心なのは、彼の言葉の「想像力」にあると思います。同じスーパーコンピュータを与えられても誰もが小久保博士と同じ仕事を出来た分けではないと、皆容易に分ります。
様々なソフトの入っているパソコンが目の前にあってそこそこ使えても、豊かな想像力と使いこなす技量が無ければ良い作品(仕事)は出来ないでしょう。もしかしたらインターネット、メール、ワードで文章を書く程度に終始するかもしれません。これはコンピュータの話に限る訳ではありません。とても良い音色のするギターを与えられ、手に取って”音”を鳴らす事(簡単な事)は出来きても、良い”音楽”を奏でる事(秀でた仕事をする)は実力と想像力=音楽的才能が無ければやはり難しいでしょう。
先日も当院の資料を作成したのですが、そのたたき台をプロのデザイナーに手直ししてもらった処、全く別物に生まれ変わりました。プロのデザイナーと張り合う事などおこがましいと一笑に付されますが、その発想にはとても手が届きませんでした。
コンピュータの貢献は絶大で計り知れない物がありますが、突き詰めると道具に過ぎなく、結局は使う者の想像力が大切と改めて感じました。
2 『地球の誕生が分った処で生活が豊かになる訳ではないが、壮大な事象を前にすると自分の苦悩などが小さく思える』
花より団子の言葉にありますように、精神の充足で肉体の要求を満たすことは得てして難しいと思います。小久保博士の言われた通り、どうやってこの惑星が生まれたか、明らかになったとしても、皆が綺麗になる訳でも、収入が増える訳でもなく、アフリカの難民の餓えが無くなる訳でもないでしょう。
物量主義者の集まりなら物だけで人は幸せになれるのでしょうが、我々の多くが精神の高揚を感じた時、幸福感や充足感を覚えます。スポーツ中継を観て、プロジェクトXを見て感動し、日常の嫌なこと、辛いことを乗り切ろうと、あるいは気にしないようにしようと思い改めます。小久保博士の言葉に大きな共感を感じました。
3 常に論文を片手に勉強している。
あれ程の科学者ですから当然かもしれませんが、食事の時でも論文を読んでいる姿には感服しました。またトップレベルを維持する事の難しさを垣間見ました。
いつもなら「よし、自分もそうしよう」と発奮するのですが、この勉強ぶりは自分には無理だろうと思いました。
期間を限れば真似事は可能ですし、必要ならばそうする事もあるでしょうが、常にその姿勢を貫く事はとても出来ません。
4 『地球外生物は、(願いを込めて)存在すると思います。地球の誕生を解明しようとすると、奇跡は必要ないとわかります。
  地球以外にも同じ環境は存在するでしょう。』
講演で聴講者から『小久保先生は、宇宙人はいるとお思いですか?』との問いに上記の返答でした。私が高校時代に読んだ書物の中に、「地球は奇跡の結果」と書いてありました。それによりますと、このサイズの星が生まれ、太陽から今の距離に位置する事は、計算上広大な砂漠の中の一欠片の砂に相当する程小さな数字であり、神を信じたくなる程、正に奇跡以外何物でもない、と書かれていました。また作家鈴木光司さんの3部作リング、螺旋、ループの最終作で、「スーパーコンピュータで原始地球シュミレーションを行ったがどうやっても生命は誕生しなかった。已む無く一つの細胞をプログラミングしたら、膨大な時間をかけ現代社会まで発展した。一細胞のプログラムは、現世に例えると言わば神の成せる事に相当する。」と書いてあったと記憶しています。一時は物理学を目指した私も、地球誕生の”奇跡”と生命誕生の”奇跡”を支持していましたが、最先端の頭脳を持ってすれば決してそうでは無いと聞いた時、何やら嬉しさを感じました。
地球外生物の存在・・・浪漫を感じます。

14

1月

命の順位

内山 
月曜日, 1月 14th, 2008

この3連休、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 昨日と今日、急に寒くなりましたが風邪等に気をつけて下さい。
風邪と言えばウイルスが原因ですが、今晩のNHK(またNHKです)で鳥インフルエンザの特集が放送されました。鳥インフルエンザは、本来鳥の間でしか感染しないウイルスだったのですが、突然変異の結果、鳥からヒトへ感染する非常に危険なH5N1型ウイルスも存在するようになりました。番組は、このウイルスが更に変異を遂げ、ヒトからヒトへ容易に感染する場合の予想を放送していました。
H5N1型鳥インフルエンザウイルスが脅威である最大理由は、その致死率の高さです。2006年11月29日の時点で53カ国にて鳥における発生がみられており、その内、10カ国において258例のヒトにおける感染とうち死亡154例が報告されています。毎年我が国でも(風邪)インフルエンザから肺炎になり、不幸な転帰をたどる方は複数いらっしゃいますが、その率が高くない分だけ鳥インフルエンザ程言及されません。(勿論、重度合併症を併発しやすい高齢者には、行政レベルでの対応が多くの地域で実践されています。)
ウイルス疾患の広がり方は、その感染形式によってかなり異なります。毎冬流行するインフルエンザは飛沫感染と言って空気中から、現在国の対応が注目されている薬剤性C型肝炎はフィブリン糊(薬剤)などから、HIVは濃厚接触や垂直感染といって分娩時などから、と様々です。
恐れている事は、このH5N1型ウイルスが更に変異を遂げ、鳥からヒトだけでなく、ヒトからヒトへ容易に感染するウイルスになることです。実際、過去にもヒト→ヒト感染の報告はありましたし、数日前の新聞で、中国でヒトからヒトへ鳥インフルエンザが感染したとの記事が載っていました。そして、この感染形式が濃厚接触でなく最も広がりやすい飛沫感染のタイプであった時、最悪の事態をもたらします。
放送の中で、この鳥インフルエンザによる世界的流行は必ず来ると言っていました。感染症の世界的流行をパンデミック(pandemic)と言いますが、歴史的なパンデミックとしては、14世紀にヨーロッパで流行した黒死病(ペスト)、19世紀から20世紀にかけて地域を変えながら7回の大流行を起こしたコレラ、1918年から1919年にかけて全世界で2500万人(4000〜5000万人という説もあり)が死亡したスペインかぜ(インフルエンザ)などがあげられます。どれも知識として知ってはいますが、実際の処、どれだけの恐怖かは実感がわきません。しかしこれ以上のパンデミックがくる事を想定して、既に米国は準備をしている事も紹介されました。
厚労省のHPを見ますと、我が国も鳥インフルエンザに対し既にある程度の対応策を講じていますが、米国のレベルは遥かに高次元の対策です。
1 米国全国民のワクチンを用意する。
2 医師の確保:内科医だけでなく、他科医師の動員や歯科医までも動員し対応にあたる
3 人工呼吸器を出来る限り用意する。しかし数に限りがあるので、死亡の可能性が高いと判断されたなら、その使用を中止し、死亡する可能性の低い患者に用いる。
4 人工呼吸器以外でも、治療対象者の優先順位を定める。(ちなみに最優先はワクチン生産者、医師など、最も順位の低かったのは2歳から64歳までの健常人、それに対する反論も紹介されました)
1、2は誰もが納得する話ですし、反対する人もいないでしょう。やはり当然の事ながら議論の対象となるのは、3、4です。放送の中でもこの命に関わる疾患の治療優先順位を決めるにあたって、それに関する様々な意見や考えを紹介していました。人工呼吸器を外せば死んでしまう可能性が大と分っていて、それを行う事の難しさは誰でも理解出来ると思います。また一度に多くの感染患者が発生し病院に殺到した時、誰から治療を開始するのか、最後は誰になるのか、遅れれば死んでしまう可能性があるが故に、非常に難しい問題です。であるから今時間のあるうちに、十分議論しましょうというのが米国の考えです。確かに何も基準を決めないでいたら、パニック状態になる事は容易に予想出来ます。
治療開始の優先順位・・・いつも思い出すのががんセンター時代の事です。外来に来られた患者さんが癌と診断された時、殆どの方が少しでも早く治療を受けたいと思います。理屈上がんは毎秒毎秒育っている訳ですから、少しでも早く治療を始める事を望むのは当然です。
「早く入院出来るよう、何とか便宜をはかって頂けないでしょうか?」と言われることも少なくありませんでした。しかしそのような時「もし、あなたの後に来た患者さんが同じ事を希望して、私がそれに応じたら貴方はどう思いますか?」と述べ、ご納得頂いた次第です。その代わり、治療後の入院期間は極力短期間になるよう皆努力しました。早く退院出来れば次の患者さんが入ってこられるからです。
がんの場合、短い時間(日単位)で急に進行し予後に影響することは、一部の疾患(例えば甲状腺未分化癌)を除いて殆どないので、先のような対応が出来ました。
しかし、鳥インフルエンザは異なります。詳しい病状の経過は知りませんが、進行は分単位かもしれません。20年間、差を付けた治療など決して行わなかった事を誇りとし、今の理念の一つに掲げている私にとって、誰から治療(=助ける)すべきか?は、想像すればする程難しい問題です。
人工呼吸器の取り外しは、このインフルエンザの場合に限らず、米国では現時点でも実践されている事です。いつぞや、何の疾患だったか忘れましたが、またどのような状況であったかもはっきり覚えていませんが、ある患者さんの人工呼吸器が外され、看護師が「この後は貴方自身の力で呼吸しなければならないのですよ」と耳元で説明していたTV放送を覚えています。
またある癌患者に、治療費によって治療内容が異なることを説明し、その患者は経済的理由から次点の治療を選択したシーンもありました。国民偕保険の我が国では考えられない事ですが、その善し悪しは別としてこれがアメリカの医療の一面と紹介されていました。そういった文化的背景?があるから、鳥インフルエンザに対する突っ込んだ対応も出来るのだろうと思います。
米国の準備に対し、我が国ではそこまでは進んでいないとありました。「一人の生命の重さは地球より重い」と教育を受けてきた民族にとって、国民偕保険制度を採る我が国にとって、命に順位をつける話し合いは、困難を極める作業になる気がします。
例え決め事を確立しても、実際の状況に立った時本当に自分は実践出来るのか?、患者さんは決め事を納得し大人しくしていられるのか? 大きな不安を感じます。
予想出来る事の一つに、愛する人と自分が罹患したらおそらくお互いに譲り合うでしょう、優先順位が等しい者同士がいてその中で後回しになった場合、怒りと不安を感じ、それに伴う行動をとる、などがあるかも知れません。前回のブログでも言及しました「アイ アム レジェンド」の一シーンに、軍隊が一般市民を統制する場面がありましたが、本当に警察や自衛隊などの統制が必要とされるかも知れません。
放送の中で強調されていた事は鳥インフルエンザのパンデミックは必ず起こると言う事です。その日が来た時、皆さんはどう振る舞いますか?
九段ビューティークリニック 内山清貴

木曜日, 1月 3rd, 2008

明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願いします。
一年のうちこの時期だけは、まとまった休みを取る事が出来、家で一人娘とゆっくりしています。以前は初参りやデパートに出かけて、買う事だけを目的とした買い物に時間を費やしたこともありましたが、ここ数年は家で出来る限り過ごしています。テレビ鑑賞もそのうちの一つで、正月ならではの番組を楽しんでいます。
今日はNHKでイチローの特番が放送されました。イチロー選手は、言うまでもなくメジャーリーガーでもトップスラスを何年も維持し、常に挑戦し続けている偉大な野球選手です。毎年何人かのプロ野球選手が大リーグに移籍しますが、このイチロー選手やその前の野茂投手の活躍があったからこそと思います。一番古くは、マッシー村上投手が挙げられますが、やはり野茂投手、イチロー選手の活躍が今の日本人選手の評価に繋がったと言って良いと思います。
イチロー選手の偉大な処は、その素晴らしい実績を毎年続けている事です。一シーズン良くても次が悪ければ、良かった成績の価値も下がるかも知れない米国で、常に文句のつけようの無い成績を維持している彼は、最大限の賛辞を受ける権利があると思います。
いったいどのようにすればあのような活躍を続ける事が出来るのか? 私のような凡人には到底理解出来ない事ですが、今日の放送の中で思わぬ言葉を聞きました。
「いつか光(バッティングの極意が分る日)が見えるだろうと漫然と構えていても、決してその日が訪れる事は無い。もがいて苦しんで探ってみて初めて(光が)見える」
とイチロー選手は言っていました。そしてシーズン終盤に首位打者が不可能と判断された時は、試合中でも涙を浮かべていました。あの天才が、もがくとか苦しむとか、ましてや涙を見せるなんて全く意外です。天才イチローの涙、正月早々大きな驚きを感じました。そういえば発明家エジソンも「天才とは99%の努力と1%のひらめきである」と言っています。世の中の才能あふれた人々を見る度に、その才能を羨む事がしばしばありましたが、彼らはその陰で人並みならぬ努力を続けている事を分っていたとはいえ、改めて知りました。
このような場面に接した時、いつも自分と照らし合わせる私ですが、今回は「才能ある人ですら努力を惜しまないのに、自分のような凡才は尚一層努力しなければならない。」と感じました。ただ野球選手や科学者は試行錯誤を何度繰り返しても、その対象に不利益をもたらす事は一般にはありません。しかし我々医師等、人を対象とした場合、只単に一か八かトライする事は余程の事(例えば、癌患者で従来の治療では治癒が望めない場合など)を除いてあり得ません。ですからその進歩も実にゆっくりとしたものです。全く未知の治療は動物実験から始まり、臨床治験は第1、2、3相を経て、また既治療は対象を慎重に選び、更に対照群を設け評価を客観的に(普通は二重盲試験)行う必要があります。
アトピー性皮膚炎に対する金糸治療において、固形金の安全性は既に歯科治療や顔面神経麻痺治療、金の糸美容術の実績から証明されていますが、その有用性を真に証明するには、確かに対照群を設ける必要があります。これは自著論文の査読でも、Natureの編者が求めてきた事です。しかしおよそ効かないと予想される他の異物を「済みませんが、比較したいので試させてください」と目の前の患者さんにお願いするなど到底出来ません。やはり対照群を設けて比較検討するには、動物実験しかないと思います。幸い、今月から某大学でその実験を開始する予定なので、結果が出れば再度Natureに挑戦しようと思っています。
「もがいて苦しんで初めて、”光”が見える」 黙って構えても物事が順調に進むほど、世の中甘くはありませんし、そのような形で得たものには喜びも相応だろうと思います。イチロー選手の言葉を胸に刻んで今年の決意としたいと思いました。
九段ビューティークリニック 内山清貴

火曜日, 12月 25th, 2007

本日はクリスマスイブですが、皆さんはどのようにお過越しでしょうか? 多くの方は、大切な人と華やかに、あるいは静粛に、あるいは形式的に時間を共にしていると思います。私は今、自分の診療所でこの文章を打っています。
 
 この時間(25日午前1時)にクリニックにいる理由は、本日行った症例の経過観察のためです。本日の手術は、フェイスリフトと骨切り術でした。フェイスリフトは過去2回他院で行われており、今日で3回目の手術になります。フェイスリフトは顔の皮下を広範囲に剥離するのですが、一度手術を受けていると瘢痕が形成され、そこから容易に出血します。また同時に行った骨切り術も稀に術後出血が見られ、高齢である症例を帰宅させる事はとても不安なので、一晩クリニックで経過観察する事にしました。今のところ、懸念したことは起きていませんが朝まで油断は出来ません。昼間手術の最中「どうか無事終えますように」と祈りながら、腕を動かしました。祈ったところで術後の結果は変わらないと分かっていても、普段は登場しない「神様」につい都合の良い願いごとをしています。祈った場合とそうでない場合の術後結果を統計処理しても、おそらく何の有意差も出ないでしょう。
 
 しかし本当にこの行為は無意味な事なのでしょうか? 医学は学問です。そこには厳然と原因と結果のみが存在し、その間を理屈が橋渡しをしています。理屈がつかない場合は、まだ分かっていないだけであって、いずれ解明されるだろうと考えます。しかし医療は純粋な医学だけで成り立つものでなく、人の行為が入ります。機械と違って常に一定のクオリティを持って為される訳でなく、医師側の要素と患者側の要素、場合によっては周囲スタッフの要素も加わります。この数字にし難い要素が加わると、同じことをしたつもりでも異なる結果が得られることはしばしば経験します。願いを込めることは、その不安定な”ヒト”の要素をなるべく除外することに繋がるのではないかと思うのです。「どうか無事に」「どうかうまく」と思いながら手術をすると、些細な事へも注意が届き、妥協せず物事を進めることが出来ます。目に見えない力に頼るのを否定しませんし、手術以外でも何かと願い事をする私ですが、こと医療に於いては今申し上げた気構えの向上に繋がる気がします。
 
 コンタクトという10年前の映画があります。主役のジョディフォスター(天文学者)が、ロケットに乗り未知の宇宙生命にコンタクトしようとする話ですが、搭乗員を決める際、選考委員会の一人であり彼女の元恋人でもある宗教学者のマシューマコノヘイは「貴方は神を信じますか」と問いかけ、ジョディは「科学者としては信じません」と答えました。「神を信じない科学者を宇宙には行かせられない」との理由で、選考委員会はジョディを選びませんでした。私は非常に合理的であると思っていたアメリカが、妨害工作が絡んでいたとは言え、このような判断をする事に大変驚きました。科学と神は最も離れた所に位置していると思っていたからです。今思い直すと、マシューはジョディに「おごる事なかれ」と言おうとしていたのではないかと思います(思いっきり見当違いの可能性もありますが)。「我々は色んな事を知っているようで実は何も分かってないんだよ、神を信じる気持ちは人類の暴走を防ぐ事に必要なんだよ」と言いたかったのかも知れません。昨日観た「アイアムレジェンド」も、ウイルスから作った夢の薬が原因で、人類が滅亡の危機にさらされる話でしたが、物語の本質ではありませんが、ここにも「物事には畏敬の念を持って臨むべし」との教訓を見ました。
 
 今までに無い金糸治療術(論文の審査でも”This is very original and very interested”と評されています)も、今の所(アレルギー/免疫疾患、その他計100例以上)殆どの症例に効果を認めていますが、適応・施術・評価等において「畏敬の念を持ち、おごる事なかれ」の心構えを忘れずに発展させて行きたいと思う昨日今日です。
九段ビューティークリニック 内山清貴

月曜日, 12月 10th, 2007

厚労省はアトピー性皮膚炎ガイドラインで、
治療は  
A. 原因・増悪因子の検索と対策  
B. スキンケア 
C. 薬物療法(ステロイドが中心)
の3つを上げています。どれも理にかなっていると思いますが、角度を変えてみれば「アトピー性皮膚炎の根治は難しい。なるべく症状を悪くさせないよう、日頃から注意しましょう。悪くなったらステロイドを使って症状を改善しましょう。」と解釈する事が出来ます。アトピー患者さんは、この標準的な治療を一部受け入れ、一部否定する傾向にあります。A,Bは当然の事としてご自身も努力されますが、Cを積極的には受け入れない傾向にあります。
理由は、
a ステロイドを使っている以上根治は出来ない。
b ステロイドは徐々に効かなくなって行き、いつかは強いステロイドに頼る可能性が有る。
c ステロイドの副作用が怖い。 
以上の3点です。ここで厚労省・日本皮膚科学会と患者さんとの間に大きな隔たりがあります。前者は「アトピーの根治は、特に成人例は難しい」と言う立場、後者は「難しいがどこかに自分に合った根治療法がきっとある」と言う立場の違いです。
高血圧は血管の不可逆性変化の結果ですから、一度なったら原則一生降圧剤を服用しなければなりません。それでも多くの患者さんは高血圧をそういう疾患として受け入れます。また花粉症も一度罹患したら原則治癒しないものと認識しています。
しかしアトピー患者さんは何故根治出来ると期待するのでしょうか? いくつか理由があります。まずはアトピー以外の人には理解出来ない程の苦痛があること、一生このままであると思うととても不安になることが上げられます。花粉症は季節性アレルギー性鼻炎であり、花粉の飛ぶ春先をしのげば、落ち着いています。しかしアトピー性皮膚炎は多くは通年性です。
5年前私の弟は、昼間でも暗い部屋でうずくまっていました。いつかは治る日が来ると期待をしなければ苦痛と戦えない気持ちは理解出来ますし、私自身、交通事故後遺症である神経痛に対し麻薬に近い鎮痛剤を使用していますが、いつかは痛みが和らぐ日が来るだろうと、いつも希望を持って日々を送っています。また根治を期待する理由として、小児アトピーで治癒例が見られる、成人でもステロイドをやめたら治癒した例がある、なども理由の一つでしょう。ただ成人でステロイドをやめてアトピーが治ったという患者さんの多くはステロイド皮膚症と言って、実際はアトピーではなくステロイドによる副作用であるとも言われています。
今現在、一般的に言われている事は、「アトピーの根治は極めて難しい、アトピーが根治できる治療が見つかればノーベル賞もの。」ということです。
アトピーを始め、アレルギーや免疫疾患に対し金糸治療を始めて2年近くなりました。治験第一例は、耳の金属アレルギーでした。その方が先日久しぶりにご来院されましたが、その後それまでかぶれを起こしたピアスも問題なく装着出来ているとのことで、金糸の効果が2年続いていることにホッとした安心と他の疾患への同様の期待が胸を過りました。
金属アレルギーもアトピーもその機序は基本的には同じです。前者の抗原(=アレルギーの元)がニッケル・スズ等であるのに対し、アレルギー性皮膚炎ではダニやハウスダストのような日常周囲に存在する異種蛋白が抗原となっています。原因となったはずのピアスをつけても金属アレルギーが起きないと言う事は、2つの理由が考えられます。一つは、アレルギーの原因であるニッケル・スズが皮内に侵入しないでいられる、もう一つは金属が侵入してもアレルギー反応が何らかの理由で抑えられている、以上の2点です。全く侵入を防ぐ事は難しいと思いますので、アレルギーが起きないのは主に後者の「金糸が何らかの理由でアレルギー反応を抑えているのではないか?」と考えています。
もしそうなら、アトピーを始めとするアレルギー疾患や免疫疾患を、金糸=固形金(糸のように細いのですが、金製剤と違いイオン化していませんから固形金とも呼べます)が根治させる事が出来るか否かについて、次の事が予想出来ます。
①固形金がアレルギー反応を抑えているのであって、体質改善が起きている訳ではない。
②固形金がなくなればまた再発する可能性が有る。 
③しかし固形金は溶けないのでなくなる事は無い。よって①が時限無しならば一生効いている。 
自分の都合の良いように解釈すれば、継続治療なしで症状が治まるのなら、厳密には根治とは言えませんが”根治に近い成績”が期待出来ます。しかし、これは先の①がずっと続く事を前提にした話で、それを支持するデータは残念ながら今のところありませんから、期待を込めて「金糸でアトピーが根治出来る可能性あり」という程度にとどまる訳です。
ちなみに金の糸美容術ではその美容効果(美肌になる)は5-10年とも、10-15年とも言われています。何故この時間なのか、何故期限付きかは分かりません。私が金の糸美容術を始めて3年経過しましたが、初期例は今でも効果の継続を認めていますので、おそらくは5-10年美容効果あるだろうと予想しています。固形金が皮内にある限り、美容効果も持続するのではないか?と思うのですが、本術先進国医師達も明確な回答を持っていません。
HPの中でも述べておりますが、金糸治療術は対象となる疾患に対し、常に第2、第3選択肢として位置づける事が正しいと思っています。従来の標準的治療法で十分コントロール出来ているのならば、わざわざ金糸治療を行わなくても良いと思っています。アトピー産業のひとつとして位置づけされたくないからです。またアトピー金糸治療を私しか行っておらず、その機序も明らかでなく、臨床データに乏しいからです。
しかし、重度の高いアトピー症例が、提示しましたように改善している事も明白で、少しでもこの方法が科学的に明らかにされ、普及する日を求めて診療に当っています。
九段ビューティークリニック 内山清貴
   

土曜日, 12月 1st, 2007

 11月28日、「千葉県警がエステで光脱毛を行ったとして社長ら3人を逮捕した」とニュースがありました。たしか去年か一昨年(2005、6年?)は、アートメークでやはりエステシャンが逮捕されています。逮捕は当然と言えば当然ですが、その一方で我が国でエステ脱毛、エステアートメークがおそらく何千と行われている事も事実です。何故元々違法行為がこれほど野放しにされているか、私はかねがね疑問に思っていましたが、一部の意見では①取り上げたら切りがない、②エステ団体の選挙票が無視出来ないので政治的配慮がある 等と言われています。
 エステの広告を見る度、「よくここまで過大な宣伝を出来るものか」とあきれる事もしょっちゅうです。我々医療機関は医薬事法にのっとり、また医の倫理から事実を偽り無く述べ、長所と短所を説明しています。アトピー性皮膚炎にも似たような事象が見られます。何の根拠もなく「アトピー性皮膚炎に有効」と宣伝し、商売を営んでいるアトピー産業もある部分(過大な宣伝)では、似たようなものと感じます。かくいう私も「ステロイドを使わず、アトピー性皮膚炎を治しましょう」と詠い、費用的にはかなりの高額の治療を提供しようとしていますので、「おいおい、お前も同じだろ」と言われる事を覚悟で金糸治療を行っています。
 しかし医師として20年生きてきましたが、その間国立がんセンターを始め様々な施設で常に”科学的であり、結果を伴う”を根底とした医療に臨んできました。今の言葉で言うと、evidence based medicine、 EBMです。
金糸治療術も”科学的説明と結果”が必要と、治験を行い医学論文を書き上げ、欧米の雑誌に投稿しました。私が只一人”金糸はアトピーに効く”と声高に言っても、アガリスクやプロポリスのように「一部の医師のみが言っている事で、一般には認められない」では、一向に広まらないと思ったからです。
残念ながら、私の論文はまだ審査中で、もう投稿してから半年近く過ぎています。一笑に付されてしまいますが、最初はLancet(医学雑誌最高峰)、続いてNature(科学雑誌最高峰)に挑戦しました。Lancetは症例数が少ないと言う理由、Natureは対照群が無いと言う理由で却下されました。前者は今後症例を重ねれば、また挑戦出来ますが、Natureの求める対照群は、金糸を入れる部分と他の素材を比較する事を意味し、とても出来ない事です。現在は皮膚科関係の雑誌に投稿し審査中ですが、受理される事を願ってやみません。
九段ビューティークリニック 内山清貴

日曜日, 11月 25th, 2007

金糸治療術をアトピー性皮膚炎に行っていますが、表皮代謝の改善、バリア機能の回復も症状改善理由の一つと思っています。バリア機能を担っているのは、角層の持つ保湿力です。アトピー性皮膚炎で保湿の重要性は誰もが支持するところですが、実際には理想的な保湿剤が中々無い事もアトピー性皮膚炎が難治である理由の一つと思います。
ここ1年間、理想的な保湿剤(保湿力が高く、持続する。皮膚への刺激がない)を求めて様々な成分を試してきました。そして現在入手出来る最良の成分がAIPCコポリマー(http://cosmetics.kudan-atopy.com/components.html)と思います。細胞膜を構成しているリン脂質と同等の2重構造を持ち、皮膚に塗布すると角層の保湿成分に極めて近い状態を形成し、高い保湿力を発揮します。またその持続時間が従来の保湿剤よりも長い事も長所です。
金糸治療術はアトピー性皮膚炎治療の第一選択にはならない(http://www.kudan-atopy.com/qa/qa.html)と自主規制しておりますが、AIPCコポリマーの配合してある石鹸(http://cosmetics.kudan-atopy.com/cd123.html)等はアトピー性皮膚炎の補助療法として有用であり、女性だけでなく男性や小児にも一度お試し頂きたいと思います。

土曜日, 11月 24th, 2007

今年ももう残すところ1ヶ月と余日となりました。月並みですが、もうそんなに過ぎたのか!?という気がします。そして殆どの方が「今年も色々あったなぁ」と感じていらっしゃるでしょうが、私も同じ思いです。
一番大きな出来事は、なんと言ってもこのサイトを立ち上げ、アトピー性皮膚炎に対して金糸治療術を本格的に始めた事です。国民病とも言われるアレルギー疾患の中でも、年齢、性差を問わず多くの方が苦しんでいるアトピー性皮膚炎の、もしかしたら”根治療法”になり得る可能性を持つのがこの金糸治療術です。「アトピー性皮膚炎が根治出来たらノーベル賞もの」と言われるくらい、難しい疾患ですが、私自身が驚愕する程の成績です。既に複数の大学病院から問い合わせが来ており、来年には念願の動物実験が始められるかも知れません。
何かと忙しい年末を迎え、くれぐれも体調を損なわないように注意していきたいものです。九段ビューティークリニック 内山清貴

金曜日, 6月 1st, 2007

九段ビューティークリニックより、アトピー性皮膚炎について専門サイトを立ち上げました。
是非お気軽にご相談くださいませ。
情報提供: アトピー九段ビューティークリニック?
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