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1月
年が明けたと思ったら、もう3週間も過ぎました。私はいつも時間の早さを感じますが、皆さんはどうでしょうか?
先週末は美容外科学会地方会に参加しましたが、鼻をテーマにした内容でした。
やはり手術を主体とする形成美容外科医の集まりはいつもdeepで、一層精進しなければと思いました。
昨晩TBSの情熱大陸と言う番組で、天文学者の小久保英一郎博士が紹介されていました。小久保博士は、理論天文学では世界中から注目されている気鋭の科学者です。彼が29才の時に発表した惑星形成理論(オリガーキック・グロース、寡占的成長)は、今やその分野では世界基準となっています。
私も中学生の頃は宇宙や星に強い興味を持ち、望遠鏡で星や月を観たり、流星群の観察を行ったりしました。それが次第に物理学への興味に移り、人類の夢である核融合を目指して東北大学に一時期通いましたが、道半ば夢をあきらめ(当時「核融合は君らの生きているうちは絶対に出来ない」と言われました)、医学部に再入学した経緯があります。ですから小久保博士の放送は大きな関心を持って見ました。
その中で印象的だった言葉・シーンがあります。
1 『コンピュータと想像力があれば不可能は無い』
小久保博士の研究はシュミレーション(模擬実験)を通して理論を作り上げる事です。
シュミレーションとは、「物理的あるいは抽象的なシステムをモデルで表現し、そのモデルを使って実験を行うこと。実際に模型を作って行う物理的シミュレーションと、数学的モデルをコンピューター上で扱う論理的シミュレーションがある。」と言う意味ですが、小久保博士のシュミレーションは後者の論理的シュミレーションを指します。
これにはスーパーコンピュータが必須ですが、彼は、コンピュータと想像力があればあらゆることが可能、と言っています。
確かに私も、自分のHPを始め、論文作成、プレゼンテーション資料の仕事、音楽製作やイラスト、3D画像等の趣味的活用など、かなりの部分でコンピュータの恩恵を受けています。しかし肝心なのは、彼の言葉の「想像力」にあると思います。同じスーパーコンピュータを与えられても誰もが小久保博士と同じ仕事を出来た分けではないと、皆容易に分ります。
様々なソフトの入っているパソコンが目の前にあってそこそこ使えても、豊かな想像力と使いこなす技量が無ければ良い作品(仕事)は出来ないでしょう。もしかしたらインターネット、メール、ワードで文章を書く程度に終始するかもしれません。これはコンピュータの話に限る訳ではありません。とても良い音色のするギターを与えられ、手に取って”音”を鳴らす事(簡単な事)は出来きても、良い”音楽”を奏でる事(秀でた仕事をする)は実力と想像力=音楽的才能が無ければやはり難しいでしょう。
先日も当院の資料を作成したのですが、そのたたき台をプロのデザイナーに手直ししてもらった処、全く別物に生まれ変わりました。プロのデザイナーと張り合う事などおこがましいと一笑に付されますが、その発想にはとても手が届きませんでした。
コンピュータの貢献は絶大で計り知れない物がありますが、突き詰めると道具に過ぎなく、結局は使う者の想像力が大切と改めて感じました。
2 『地球の誕生が分った処で生活が豊かになる訳ではないが、壮大な事象を前にすると自分の苦悩などが小さく思える』
花より団子の言葉にありますように、精神の充足で肉体の要求を満たすことは得てして難しいと思います。小久保博士の言われた通り、どうやってこの惑星が生まれたか、明らかになったとしても、皆が綺麗になる訳でも、収入が増える訳でもなく、アフリカの難民の餓えが無くなる訳でもないでしょう。
物量主義者の集まりなら物だけで人は幸せになれるのでしょうが、我々の多くが精神の高揚を感じた時、幸福感や充足感を覚えます。スポーツ中継を観て、プロジェクトXを見て感動し、日常の嫌なこと、辛いことを乗り切ろうと、あるいは気にしないようにしようと思い改めます。小久保博士の言葉に大きな共感を感じました。
3 常に論文を片手に勉強している。
あれ程の科学者ですから当然かもしれませんが、食事の時でも論文を読んでいる姿には感服しました。またトップレベルを維持する事の難しさを垣間見ました。
いつもなら「よし、自分もそうしよう」と発奮するのですが、この勉強ぶりは自分には無理だろうと思いました。
期間を限れば真似事は可能ですし、必要ならばそうする事もあるでしょうが、常にその姿勢を貫く事はとても出来ません。
4 『地球外生物は、(願いを込めて)存在すると思います。地球の誕生を解明しようとすると、奇跡は必要ないとわかります。
地球以外にも同じ環境は存在するでしょう。』
講演で聴講者から『小久保先生は、宇宙人はいるとお思いですか?』との問いに上記の返答でした。私が高校時代に読んだ書物の中に、「地球は奇跡の結果」と書いてありました。それによりますと、このサイズの星が生まれ、太陽から今の距離に位置する事は、計算上広大な砂漠の中の一欠片の砂に相当する程小さな数字であり、神を信じたくなる程、正に奇跡以外何物でもない、と書かれていました。また作家鈴木光司さんの3部作リング、螺旋、ループの最終作で、「スーパーコンピュータで原始地球シュミレーションを行ったがどうやっても生命は誕生しなかった。已む無く一つの細胞をプログラミングしたら、膨大な時間をかけ現代社会まで発展した。一細胞のプログラムは、現世に例えると言わば神の成せる事に相当する。」と書いてあったと記憶しています。一時は物理学を目指した私も、地球誕生の”奇跡”と生命誕生の”奇跡”を支持していましたが、最先端の頭脳を持ってすれば決してそうでは無いと聞いた時、何やら嬉しさを感じました。
地球外生物の存在・・・浪漫を感じます。
